水道パッキンとは？サイズや交換方法を解説

住宅内外に設置された水道。“水周り”と呼ぶこともあるこの部分には、実はいろいろな種類のパッキンが取り付けられています。

本記事では私たちの生活を支える水道パッキンの役割や、誰でも簡単にできる交換方法の手順について解説します。

水道パッキンの用途とは？その理由は“水漏れや金属音を防ぐため”

水道パッキンがさまざまな蛇口に取り付けられている理由は、主に金属同士が水圧などによってふれ合う際に発生する金属音を防いだり、細かな隙間から水漏れが起きないよう塞いだりする役割があるからです。

種類は違いますが、ゴムパッキンは私たちの生活を影ながら支えているのです。ガスの配管からガスが漏れないように止められているのもゴムパッキン。このように、私たちの快適な生活は、さまざまなパッキンによって支えられているのです。

水道パッキンの種類

ここでは、どのような蛇口になぜ水道パッキンが取り付けられているのかを把握するため、具体的な種類について5つご紹介します。

コマパッキン
別名を“ケレップ”とも呼ぶコマパッキン。ハンドルには必ずある物で、独楽（コマ）のような形状からこのように呼ばれています。

ハンドルをひねるだけで止水するのは、このコマパッキンが水の通路をきれいにふさいでくれるためです。一見、金属でできた部品と一体化したように見えますが、交換をする際は別々に取り外して行います。

平パッキン
平パッキンは黒色でリング状をしていて、水周りの中でも広く用いられるパッキンです。給水管のつなぎ目に取り付けられることが多く、水周りには欠かせない部品の一つと言えるでしょう。

“給水管パッキン”と呼ぶこともあるので、ホームセンターなどで購入する際はどちらかの名称で探してみましょう。

Ｏリング
ほかにもOリングと呼ばれる物もあります。Oリングはアルファベットの「O」の形をしていることが由来と言われています。シャワーヘッドに使われるため、シャワーヘッドを交換する際はOリングも合わせて確認するのが望ましいでしょう。

Ｕパッキン
Uパッキンは断面図がアルファベットの「U」に見えることが由来。吐水口の根元に取り付けられていることが多く、吐水口からじわじわと水が漏れる場合は劣化している可能性があります。

“自在パイプ取り付けパッキン”と記載されることもあるため、交換の際は部品の名称に注意して探しましょう。

三角パッキン
断面図が三角になる特徴が名前の由来である三角パッキン。蛇口ハンドル下部にあるナットにはまるように取り付けられています。

なお、金属製の「パッキン受け」と呼ばれる部品と合わせて取り付けられることが一般的です。“水栓ハンドルパッキン”や“水栓上部パッキン”と呼ぶことも多いため、部品交換の際はその名称に注意しながら探しましょう。

水道パッキンの交換方法？誰でも交換することは可能？

さまざまな形状によって、水周りの各場所に用いられることの多い水道パッキン。毎日使う場所だからこそ、使用年数や使い方によっては劣化することも少なくありません。

ここでは、水周りに取り付けられた水道パッキンを交換する方法についてご紹介します。誰でも簡単に交換できるので、この機会に押さえておきましょう。なお交換する際は事前準備も必要になるので、そちらも合わせて解説します。

準備
新しい物と交換する際は、蛇口に溜まった水がこぼれる可能性を視野に入れましょう。何の用意もせずに蛇口を取り外してしまうとキッチンやシンクが水浸しになるため、布巾を置いたり養生をしたりしてから実施してください。

なお、止水栓を閉めておけば、何らかの拍子に水が溢れる心配がありません。水周りの点検や部品交換を行う際は止水栓を閉めてから行いましょう。

単水栓用パッキンの交換方法

単水栓用パッキンの交換方法は以下のように3種類あります。

・蛇口の付け根から水漏れした場合
・蛇口設置部から水漏れした場合
・蛇口ハンドル部分から水漏れした場合

それぞれ異常が見られる場所を確認しながら適切な交換方法を取り入れましょう。

蛇口の付け根から水漏れした場合
蛇口の付け根から水漏れが起きている場合は、以下の順に沿って水道パッキンを交換しましょう。なお、蛇口の付け根から水漏れが起きている理由は、単純にナットがゆるんでいるケースもあります。ナットを締め直しても水漏れがある場合はパッキンの交換を検討してください。

1.現在取り付けられている水道パッキンの状態や型番などを確認する
2.同じ形状の水道パッキンを用意する
3.パイプ・水栓を取り外す
4.リング、パッキンが見えるので、新しい物と交換する
5.水栓・パイプを取り付ける
6.動作確認

蛇口設置部から水漏れした場合
蛇口を設置した部分から水漏れが起きている場合は、水道パッキンの劣化や蛇口を取り付ける際に使用したシールテープが劣化している可能性が考えられます。設置部分から水漏れが確認できたときは、どちらも新しくするのが望ましいでしょう。

1.蛇口を取り外し、現在取り付けられている水道パッキンの状態や型番などを確認する
2.水道パッキン・シールテープを用意する
3.蛇口を取り外す
4.用意した水道パッキンとシールテープを付け替える
5.蛇口を取り付ける
6.動作確認

蛇口ハンドル部分から水漏れした場合
蛇口ハンドルからじわじわと水漏れが見られる場合は、以下の方法を持って対処しましょう。

1.ハンドル下部にあるナットをゆるめる
2.ハンドルを取り外して、分解する
3.現在取り付けられている水道パッキンの状態や型番などを確認する
4.用意した水道パッキンを新しい物へと交換する
5.分解した方法でハンドルを取り付ける
6.動作確認

ハンドル混合水栓用パッキンの交換方法
ハンドル混合水栓にある水道パッキンを交換する際は、以下の手順にそって行いましょう。

1.ハンドルキャップ・ハンドル中央にあるネジを取り外したら、ハンドル本体も取り外す
2.カバーナットを取り外し、水道パッキンを交換する
3.カバーナットを取り付け、ハンドル・ネジ・ハンドルキャップを取り付ける
4.動作確認

水道パッキンを交換する際の注意点

水道パッキンを交換する際に注意したいこと、それは“現状の水道パッキンの形状や状態を確認すること”です。特に調べることもせず、似たような水道パッキンを購入しても、現状の蛇口には合わない可能性があります。

まずは水道を取り外し、現状の水道パッキンはどのようなものを使っているのか、劣化しているのかを確認しましょう。なお、蛇口を分解せずとも水道パッキンの型番を確認することは可能です。その方法は以下の段落でご紹介します。

蛇口を分解せずにパッキンを確認！「蛇口の型番」のチェック方法

蛇口を取り外すことなく水道パッキンの型番を確認することも可能です。その方法は以下の通りです。

・単水栓の型番を確認する
・混合水栓の型番を確認する
・シングルレバーの型番を確認する

単水栓タイプの蛇口を使用している場合は蛇口の根元部分にメーカーが記載されています。メーカーのみで調べることになりますが、単水栓のタイプから水道パッキンの形状を確認することが可能です。

混合水栓タイプは本体の正面にシールで型番が記載されています。シールは劣化しやすいため、剥がれているときは蛇口を分解して水道パッキンを確認してください。

シングルレバータイプはハンドルレバー中央にメーカーが記載されている、または蛇口本体の根元部分に型番を記載したシールが貼りつけられています。いずれかの方法で型番を把握したら、ホームセンターなどで取り扱いがあるかを確認したうえで準備しましょう。

まとめ

本記事では水道パッキンの種類やそれぞれの用途、交換方法についてご紹介しました。

毎日使う水周りだからこそ、水漏れが起きると不安を感じるものです。いざというときのために本記事でご紹介した交換方法を知識の一つとして押さえておきましょう。

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監修者

主任

朝長 大輔

《略歴》

弊社指定の水道メンテナンス研修プログラムを履行し、数多くの現場を経験することで実践的なスキルや最新の技術に関する知識を身に付けてまいりました。
コラムではこれまでの経験から深い理解と実践的なノウハウをもとに水道メンテナンスに関する専門的な知識を広く普及させることを目指しています。