水のコラム
長崎県 橘湾の赤潮が深刻化!原因と私たちにできる対策とは?【水道職人:プロ】
長崎県南部に広がる橘湾では、ここ数年にわたって深刻な赤潮被害が続いています。
2024年6月には有害プランクトン「シャットネラ」が大量発生し、養殖魚が大量死。
さらに、2023年には「カレニアミキモトイ」による過去最大規模の赤潮被害が発生し、被害額は11億円にも上りました。
私たちの暮らしと隣り合わせにある美しい橘湾で、一体何が起きているのでしょうか?
この記事では、赤潮の仕組みや被害の実態、そして一人ひとりができる身近な対策などについて、わかりやすく解説したいと思います。
目次
赤潮の猛威が続く橘湾
長崎の橘湾では、ここ数年、赤潮の被害が毎年のように発生しています。
養殖業を中心に大きな打撃を受けており、漁師の方々からの悲痛な叫びも…。
全国的に見ても、ここまで連続して深刻な被害が出ている地域は珍しいんだそうです。
2024年6月、大規模な被害が発生
2024年6月、橘湾全域で赤潮が確認されました。
特に、雲仙市や長崎市の戸石(といし)地区では、養殖されていたハマチやシマアジが次々と死んでしまい、数万匹にものぼる被害が出ています。
ここ数年、橘湾ではたびたび赤潮が発生しており、漁業関係者の方々は、防除剤をまいたり酸素を送ったりと、できる限りの対策を講じてきました。
ただ、赤潮は発生から被害までのスピードがとても早いのが特徴で、あっという間に侵食されてしまうのだとか。
橘湾で赤潮が起きやすい理由は?
橘湾は雲仙岳に囲まれた美しい内湾ですが、これが実は赤潮にとっては好都合な環境。
閉鎖的な湾は水の動きがゆっくりで、一度発生した赤潮が長時間留まってしまいます。
本来なら穏やかで養殖に適した海域なのに、それが裏目に出てしまっているというのが現状です。
赤潮って何?発生のメカニズム
「赤潮って聞いたことはあるけど、実際よく分からない」という方も多いのではないでしょうか。
簡単に言うと、海の中で小さな生き物(プランクトン)が爆発的に増えることで、海の色が変わってしまう現象です。
海が赤く見える理由
「赤潮」という名前ですが、必ずしも赤いとは限りません。
プランクトンの種類によって、海の色はオレンジ色、赤色、赤褐色、茶褐色など様々に変化します。
橘湾でよく見かける茶色っぽい濁りも、こういった赤潮の一種です。
橘湾で問題となっている「シャットネラ」や「カレニアミキモトイ」は、どちらも魚にとって有害なプランクトン。
これらが大量発生すると、養殖している魚たちが呼吸できずに死んでしまいます。
どうして赤潮が発生するの?
一番の原因は、海の「富栄養化」。
聞き慣れない言葉かもしれませんが、要するに海に栄養が多すぎる状態のことです。
海にとっての栄養分である、窒素やリンといった成分が増えすぎることで、プランクトンが異常に増殖してしまうというわけです。
実は、この栄養分の多くは私たちの生活から出ています。
川や海の汚れの原因の約6割は、家庭からの生活排水によるものなんです。
海で起こっているため関係無いようにおもえますが、意外に私たちにとっても身近な問題なんですね。
赤潮による連鎖反応
赤潮の怖いところは、一つの問題で終わらないことです。
大量発生したプランクトンはやがて死んで海底に沈み、そこで朽ち果てて分解される際に大量の酸素を使用してしまうことで、海中の酸素がなくなってしまいます。
すると今度は「青潮」という別の現象が起きて、海底の生き物たちも死んでしまう…という悪循環が生まれてしまうんです。
家庭でできる赤潮対策の生活改善
赤潮対策として、私たちにできることはないんでしょうか?
実は、毎日の生活の中でできることはたくさんあります。
小さなことですが、みんなで取り組めば大きな効果が期待できるはずです。
お台所での気づかい
〇食べ残しは流さない
牛乳をコップ1杯(200ml)流すだけで、魚が住める水質に戻すには浴槽16杯分の水が必要になると言われています。お皿についた汚れなどを、洗う前に紙で拭き取るだけでも随分違います。
〇洗剤は適量で
「汚れが落ちるから」と洗剤をたくさん使いがちですが、使いすぎは水質汚染の原因に。適量でも十分きれいになりますし、環境にやさしい洗剤を選ぶのもいいですね。
〇油は絶対に流さない
揚げ物の油は固めるか、新聞紙に吸わせて燃えるごみに出しましょう。間違ってもトイレやキッチンにそのまま流すことの無いよう注意しましょう。
地域全体で取り組みたいこと
海藻が生えている「藻場」や「アマモ場」は、赤潮を防ぐ天然の浄化装置のような働きをしています。
このような環境を大切にして、できるだけ復活させることが根本的な解決につながります。
場所によっては、こうした施設でのボランティア活動などを募っている場合もありますので、ぜひ一度ご自身の地域の情報を調べてみてください。
水回りの点検は水質保全の第一歩
「赤潮が起きると、家の水道水にも影響が出る?」なんて心配される方もいらっしゃいますが、実際のところ直接的な影響はほとんどありません。
水道水は主にダムや河川から取水しているので、海で発生する赤潮とは基本的に別の話。
ただ、夏場は水質が変化しやすい季節でもあります。
「なんとなく水の匂いが気になる」「いつもと味が違う気がする」といった症状があれば、配管や蛇口に問題がある可能性も。
定期的な掃除や点検、メンテナンスで解決できる場合は多いんです。
長期間改善されない水のトラブルがあるときは、ぜひ私たち「ながさき水道職人」までお気軽にご相談ください。
地元長崎の美しい海を守りながら、快適な水回り環境もしっかりサポートいたします。
監修者

主任
朝長 大輔
《略歴》
弊社指定の水道メンテナンス研修プログラムを履行し、数多くの現場を経験することで実践的なスキルや最新の技術に関する知識を身に付けてまいりました。
コラムではこれまでの経験から深い理解と実践的なノウハウをもとに水道メンテナンスに関する専門的な知識を広く普及させることを目指しています。
長崎のトイレのつまり・水漏れは、水道修理の専門店「ながさき水道職人(長崎水道職人)」
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